バランス能力と偏平足
皆さん、こんにちは!北海道にもやっと夏らしい気候の今日この頃ですが、元気にお過ごしでしょうか?
希望のつぼみ野幌では皆さん元気に運動に取り組んでおります。
今日は皆さんも耳にしたことがあると思われる「偏平足」について少しリハビリの視点から情報を発信してみようと思います。
通常であればイラスト上のように足の内側にはアーチがあり、世間一般では「土踏まず」とも言います。
これがいわゆる「偏平足」になると、イラスト下のようにアーチがなくなってしまいます。
僕が良く耳にするのは「昔から私は偏平足なんだよね~~」とか「遺伝で偏平足なんだ~~」などの言葉です。
では、実際に偏平足の原因や悪影響とは何なんでしょうか??
*原因
これは案外、はっきりしています。もちろん前述の通り、骨構造などの配列や筋の特性などは遺伝的な要素も否定できませんが、多くの場合は筋力不足です。
また、幼児や高齢者では筋力が不足しているだけでなく、組織の柔軟性が失われていたり、そもそも組織がまだ上手く発達していなかったりで扁平になってしまいます。
原因となりうる筋力低下を起こしていると考えられるのは次の4つの筋肉です。
・長母趾屈筋 ・長趾屈筋(主に足の指を曲げる筋肉で下腿後面や足の裏についている筋肉です)
・前脛骨筋 ・後脛骨筋(下腿後面脛骨の前後に付着している筋肉で、主に足首の運動に関与しています)
つまり、これらの筋力が低下しているサインでもあり、鍛えることで改善も可能です。
*考えられる悪影響
・関節や筋膜に負担をかけてしまう
→足底の筋膜に負担をかけることで足の裏が痛くなり易かったり、アーチの緩衝作用が得られないために足関節や膝関節、股関節に負担をかける結果、足首、膝、股関節の痛みにも繋がります。
・バランス能力の低下
→足趾は地面をしっかり捉える(接地した地面を捉える力)ことで、バランスが前後左右へ崩れることを防ぎます。また、足首が柔軟に動くことはバランスを取る上で非常に重要で、足首の動きが少なかったり硬かったりするだけでバランスが取れていない感覚に襲われ、結果、転倒する方も大勢います。
*効果的な対策
1.足首の柔軟性を十分に保つ
2.長趾屈筋、長母趾屈筋、後脛骨筋、前脛骨筋を鍛える
3.足首や足趾の運動を十分に行う。
これら3つについては原因を考えればすぐにわかりますよね。でも、本質は「なぜ足の筋力が低下したり、足首が硬くなったりしたんだろう…」という部分です。
もちろん「もう年だから…」「運動不足だから…」と考えるのは簡単ですが、もう一歩踏み込んで考えると「動く時に癖を取り払って、意識して良い動きをしているか、否か」なんです。
*意識して動く(歩く)ポイント
1.歩く時は踵から地面に設置して、地面を蹴る(前に進む時)のは拇趾に意識を入れる
2.骨盤を前傾させてお腹は少しへこませた状態を保つ。
3.腕は自然に振り、腕の振りと骨盤の振る方向をしっかり対照的に動かす。
この3つのポイントを意識しながら1日3000歩、やってみて下さい。どんな人でも汗をかけると思います。
ただ、だらだら3000歩歩くのとは全然効果が違います。
*最後に…
「偏平足」は筋力低下やバランス能力低下、関節に負担をかけている黄色信号のサインです。
これを無視せずに意識して身体を動かす。これを半年、1年と続けてください。数日~1か月程度ではあまり変わりません。
継続は力なり!!
この意識がリハビリではとても重要で、偏平足を改善するのもこの意識が大切です。