仮想自宅トイレ訓練
本日は希望のつぼみ二十四軒で行っている機能訓練についてお話しさせて頂きます。
あるご利用者様のお話しです。
脳梗塞を発症し、右足に麻痺が残りました。歩く事が困難になり、病院でのリハビリ後に帰宅する事になります。それと同時にリハビリを頑張りたいからと、希望のつぼみを利用して頂けることになりました。
その方に聞きました。
「今一番困っている事は何ですか?」とお伺いすると、「トイレ」が困っているとの事でした。
病院のトイレはバリアフリーで車椅子が入る十分な広さがある為に、困ったことはありませんでした。
しかし、自宅のトイレの扉は横開きではなく、車椅子はトイレに入れない、手すりもない。入り口には段差もあってと、家に帰ってもトイレが使えないと思ったそうです。退院して帰宅するまでの間に、手すりは付けました。
しかし自宅で用を足すには、入り口近くに車椅子を寄せて、手すりを掴まりながら、カニ歩きで便座の所まで移動し往復する必要があります。その「カニ歩きが転びそうで不安です」との事でした。
そこで、機能訓練で、「トイレへの移動練習」をご提案しました。
自宅のトイレを想定し椅子はトイレで、平行棒は手すり替わりで訓練します。
この方には毎回、この自宅仮想トイレをカニ歩きで3回往復して頂いています。
訓練当初は緊張と不安でガチガチでしたが、今は冗談を言って笑わせてくれるほどになりました。進歩の証です。
歩行に不安があったこの方ですが、来週からは、デイサービスのフロアー内の移動を、車椅子から介助歩行に移行する予定です。もちろん家の中でも歩けるようになる為の更なる訓練です。皆様も家で転ぶ事に不安な事があった際は、ぜひ職員に相談してみてください。